対話無しに資産運用とか。・・・不可能だよね

先日、とある不動産オーナーさんの家にお邪魔しました。

その時に話したことが印象的だったので備忘録として書いてみます。

オーナーさんはもうかなりのご高齢

「今日、子供が居るから来てもらえんじゃろうか」

とおっしゃるのでご訪問しました。

ちなみにこの、「今日、子供がいる」
というのは資産等の話に携わる方ならご経験があるかもしれませんが、フィフティーフィフティーだなあ。と思います。

子供(といっても僕より年上)が居るのは間違いないですが、話を聞く事になっているかでいえば、確実になっていない。要は、こっ恥ずかしいし、したこともないからしてくれ。という難題でございます(笑

何が50%かといえば、「行った時に着席してくださるかどうか」です。

今までその手の話は結構ありましたが、「親に任せてるから」「僕のじゃないから」という方が半数でした。

そうなんです。

例えば、「会話」ですが、会話はあるんです。どの家にも、しかしじゃあ、いわゆる「手を止めて」、とか、「向き合って」という事になると別。何らかの伝えなければならない用事があっての会話があっても、「どんな事を考えているのか」とか、「私の腹づもりは」とか。そんな話は実際のところ、日常的にしている人と、未経験の真っ二つだと実感しております。

そんな中で今回は、お子様にもご着席いただいて、出てきたのは
「あーそんな風に思ってたんだね」とか
「僕の意見はそうではない」とか
「そんなものを残されても困るよね」

というお話。

お金の話で、普通に負担がかかる話。
もちろん相続を受ける側として、日々のお仕事がある中での追加になるので、聞きたくない話でもあるわけです。

そんな中でも、意見が全く異なります。4人居て、4人ともが異なる。

「引き継いでほしいけど、すでに今まさにどう運用するか迷ってます」
「引き継ぐといったら引き継ぐけど、親が死んだらかなあと思っていた」
「引き継ぐといってもめんどくさいのは勘弁」
「引き継ぐといっても、この街にいるかいないかすらわかんないよ将来」


などなど様々。

そんな中で普段普通に起こっている事は
「相談せずに」不動産の形を変える事。相談出来ないから放置してしまうこと。

空き家でもそうですが、相続を受けてから知る人がとっても多いように思えます。

そんな中では自分としての提案は、

「AさんもBさんもCさんも。誰の案が良いか?といえば、全て不正解です。ただ唯一言えることは、会話が空中戦にならないために、必要な情報を集めて、その情報を元に、1時間より2時間、2時間より3時間、一日より一週間と対話することですよ」


というお話をしました。

関わる方のうち、誰かが「私の意見通らなかったから知らん」というと、資産はどんどんこぼれ落ちます。

話しづらいからこそ、年に数回でもいいのでみんなで考えて、声を荒げるくらい真剣になれば・・・そこからくだされた決断にはその携わった全員が、少しずつ負担をするのかなあと思います。

なかなか難しい話ですが、ある程度経験値を積んで、少しはそういうファシリテーションが出来るようになったかなあと思います。

そういう意味では今回おじゃまさせていただいたオーナーさんの家では、
青天の霹靂(さっき聞きました)から、認識を変えて(今だから伝えて・聞いておこう)になったのはすごく良い家庭だなあと思うと同時に、自分の負ってる役割は大きいなあと思いました。

資産運用は、対話をすればするほど良いですが、なかなか難しいですね。しかしファイナンシャルプランナーとしては、やはり一族で合議で決めるような仕組みが出来ればそれは運用利回りはとんでもないな。と思います。

どうぞご相談される際には、ファシリテーションスキルが高い専門家にご相談下さい(笑