30年一括借上保証します、なんて言っちゃうアパートの営業について

 非常に良い話というか勉強になる話しを聞きました。
 アパートの30年一括借上の話です。最近結構聞きますよね。

 今日いらっしゃった大家さんの家に、某ハウスメーカーの営業マンが来たそうです。

 その人が言うに、「当社では30年借上をして家賃保証をするので安心です」と言ったそうです(まあ、一般的に良く聞く話ですね)
 そこでほとんどは門前払いしたり、まあその中に契約に至るケースがもあったり、なのでしょうが、その方は前者で、反論したんだそうです。

 ちなみにその人はキャリアの方で、定年まである省庁にお勤めされてた方。その人が言うに、
 「申し訳ないが私の30年前といえば、自分が車に乗れるようになるとは思えなかったし、家賃といえば給料の半分を払っていた。その当時からすれば今の自分なんて全く想像出来なかったが、どうして30年一括借上保証なんて言えるんだ?」との事。

 
 それを聞いて、目からウロコでした。いや、私も、家賃保証なんてウマすぎる話で、実際に家主の手元に残ってないという話は方々から聞いてはいるものの、全くそんな視点での話は思いもしなかったこと。
 確かに、私の子供の頃はセーター一つとってみてもものすごい値段だった、とか、最初に買った14インチのカラーテレビが16万した、とかの時代ですよね。今のデフレなんざ全く考えられなかったでしょう。

 じゃあ、冷静に30年後を考えてみたら、府中市の人口なんて順調に統計通り推移するだけで人口激減なわけで(しかも大いに下振れる可能性あり)、その30年後を保証するという事はなんなんだろうか。その時には喜んで共倒れします。と言ってるのか?

 自分はアパートももちろん投資だと思ってるんですが(いや皆もそうでしょうが)、そこらへんをキチンと把握して居れば、もう少し結果が変わった気がするんです。
 当然、全てではなく、明らかに無理なアパートが何棟かあります。それらは30年後どうなってるんでしょうか。罪作りな話だな、と思います。