坂の上の雲

 私は歴史が大好き。日本国内の、焼失していないお城の半分は現地に行ってみているわけですが、そんな中でも司馬遼太郎先生の本が大好き。
 そんな司馬先生の作品でもトップ3を挙げれば、3位、城塞、2位、播磨灘物語、そして一位が坂の上の雲

 坂の上の雲は、もう今年だけで2回読んだのですが、今回、書店で、年末にNHKでドラマ化されるという文字が目に付いたので、再び読み返しております。
 
 描かれた時代そのものが大好き。日清・日露戦争のお話で、主人公の秋山兄弟と、弟の真之の同級生の正岡子規を中心にスポットを当てて物語が展開します。

 当時の様子は、私は、この本を読む前のイメージと実際が全くもって違っていたんですよね。認識としては、歴史教科書で学んだ、「第一次大戦より前よ」、程度。でもその時代が誠に微妙な頃なんですね。

 近代的とは言いがたく、かといって明治政府が興ってからは結構な年数が経っている。しかしその実は、第一次、第二次大戦とは全くイメージの異なる、まだまだレトロな感じ。戦闘機なんて単語は出て来ず、秋山真之が海軍に入る前まで、軍隊の中での海軍の重要性の認識が皆無だった、くらいの話。

 歴史の教科書程度で読んでイメージした「戦争」とは全くイメージにギャップがあって、色んな意外性を発見出来て、非常に面白い作品なんです。

 開国後、背伸びしまくって先進国に追いつこうとして、技術の無さを知恵で補い、しかもノンフィクションの物語で、その日本が勝利している。その過程が非常に胸踊るし、美しい。登場人物も、夏目漱石高橋是清福沢諭吉などが普通に登場してくる。なんか、こんなのいいなあ。みたいな世界観。
 自分は、おじーちゃんくらいの年代の方の話を聞くのが大好きなんですが、やはり古き良き時代の話はとっても良いです。今も今で30年後に振り返ってみたら古き良き時代だと思うんでしょうけどねえ。

 もしもまだ読んだ事の無い方がいらっしゃったら、是非読んでいただきたいです。日本の事が改めて好きになれます。今の政治の主役たちのガッカリっぷりが際立つ可能性はありますが(汗


NHKでは11月29日より放送です。って、三年かかって放送するらしい。なぜ・・・(汗
http://www.nhk.or.jp/matsuyama/sakanoue/