不動産屋の営業方法も色々ですわな

 これはとあるそこそこ大手不動産仲介会社でのお話です。

※伝聞ですので多少のズレはあるかもしれません。

 その方は今は大手のハウスメーカーにお勤め。お話は5年ほど前の事です。
 
 営業は、とにかく成績重視。売上のノルマがかなり高い所に設定されていて、そのノルマを達成出来たら人並みちょい上。もし未達成であれば1桁万円という素晴らしい世界。当然ながら、お客さんを返したら次は無いと思い、夜暗くなるまで帰らせないようにし、暗くなったら、「ああ暗いから次いけないっすね」と言って契約するまで交渉。帰りたい、と泣き出すお客も居たそうです。
 そのような状況なので、月末に、あと数件足りない!!って状態になると、友達の営業マンが取った契約の担当者の欄を、数万で買い取っていたんだそうな。そっちの方が給料あがるから。

 あんまり書くと業界のイメージが異様な暗さになるのでこれくらいしか書かないですが、その人の話の一番のキモが、その時言った一言。

「その時にはそれがお客さんのためだと思ってた。お客さんが不動産決めるのを手伝ってあげたんだから良かったね。と心から思ってた」

という事なんです。

恐ろしいなあと思ったわけですが、それを聞いてから、世の中の色んな悪徳ぽい営業をしてる人たちを、割とゆぅるりと余裕を持って観察出来るようになりました。それまでは唯、「人間じゃない!!信じられない!」と思ってただけでしたが、正しいと思ってるから出来る仕業だったんですね。

 その時の鬼のような環境があるから、その人は今はスーパー営業マンなわけですけども、人間って、赤でも黒でも、環境によって何色にでも染まるんですなあ。ゆぅるりとした不動産屋をやってて良かった。争いもないし。(汗


 やや話は脱線するけども、そのような会社は、やはり業界で言うところの「広告料」が目当て。現在、我が府中エリアは割と画一的ですが、もうちょっと人口の多いエリアに行くと広告料の相場が無茶苦茶。「数ヶ月で退居したら赤字?」みたいな。
 短期違約金の条項が無くて、上記の会社のようにノルマとかあった場合には自己契約して、居住せず解約。みたいな事もチラチラとあるそうです。
 さらに、そんなオラオラな営業をする会社が広告料目当てに無理やり入らせた入居者がトラブルメーカーになる確率。多分高いですよね。

 自分はオーナーであると同時に不動産屋であり、さらには賃貸物件の入居者でもありますが、この「広告料」という制度、抑制はかなり難しいわけですが、この入居者確保が非常に厳しい状況になってからというもの、

・オーナーにとっては金額的に「サービス」の域を超えて、近隣同等物件との「ただの泥試合」。
・賃貸物件の入居者には賃料はそのままなのでメリットが薄い、もしくは全く無い。
・不動産屋も、客付けの単価が上がった事によって経験の無い不動産屋が林立してこれまた割とお客の引っ張り合いで泥試合。

 次第に金額が吊り上って、結局、”勝ち組誰?”な状況になってるんです。広島県某エリアですが。とてもじゃないが見ちゃおれん。

 個人的に、更新料無効判決が出る度に、むしろ、過当な広告料を禁ずる方向にも持っていってくれよ、と思うわけです。都会であれば広告料って成り立つんでしょうが、そのエリアでは広告料が相当膨らんだ上に賃料は相当なスピードで右肩下がり。不健全すぎます。

 まあ、同時に、そういった競争が全く起こっていない府中市という町もいかがなものか?と思ってしまうわけですが。競争に参加する魅力が無いってことだしね(汗