同友会福山支部にて発表させていただきました!

今回は長い記事になります。長文&備忘録みたいなものなので校正もしておりませぬ(汗

2013年3月13日、とてもとても貴重な経験をさせていただきました。関係者の皆様にはとても感謝しております。

中小企業家同友会広島県は福山支部、S地区(府中市の経営者が多い地区)に所属しているんですが、このたび、同じS地区のパティスリーパンセの丸尾代表が、「”輝け”経営者大賞2012」の最終選考に残り、優勝を争って福山支部所属の経営者さんの前で発表をする事になったのです。

「パンセさんが最終選考に残った!」・・・実はその話ってば、私は一ヶ月前には聞いてたんです。
(ほぉ〜ぅ。3月の超繁忙期に、ご苦労な事ですなあ〜〜)
と思いながらも
「丸尾センパイ!出るからには是非S地区に栄冠を持ち帰っていただかなければなりませぬぞ〜!!\(^o^)/ 丸尾ばんざーい\(^o^)/」
ってなもんで完全に他人事でした。

今回の発表は30分間です。

この大賞が創設された主旨としては、「会社の歴史とか規模ではなく、同友会に入会した年数が比較的浅い企業が、中小企業家同友会での学び(経営指針・理念等)を活かして急成長している企業が、その事を実体験を入れて発表する。」
私の地区では、立石電機産業の立石さんが、既に提出済みの推薦人として推薦文を読み。丸尾さんがスピーチ。とは言え丸尾さんは職人。大勢の前で演説などしたこともないので、紹介ムービーを作って時間を埋める感じで行く青写真が出来ておりました。

3月8日

しかし、3月と言えば、経営者は誰でも繁忙期であるがゆえに、ほぼ全てを頼むべき動画が出来上がったのも3月8日。見てみると・・・まあこちらの意志も伝わってない一発目の動画だから全く役立たず(笑 
紹介文の読み上げ5分。動画で使えるのが5分。そこにナレーションを加えたら10分・・・
あと20分どないすんのー状態\(^o^)/

普通、あってはならない事ですが、これが発表の5日前の事でした。。。先に言うと、当日の聴衆は、100名以上の経営者さんと、同友会福山支部の役員の方々です(汗

さて、僕はと言えば集合時間通りに行けず、2時間の遅刻でした。
「まだ来れないの?」というメッセージが幾つか来てたのですが、基本的に仕事優先でOKな会なので、「もう少しかかりそうでーす」と言いつつ2時間遅れで到着。
普通通りなら30分の発表の読み合せなど、2時間あれば2回は出来ているはず。なのに会場に入るとみんななんかシンミリ・・・

聞けば前述の通り、お手上げ状態なんですね。
動画を流して丸尾さんが読み上げるのを聞いてると、なるほど確かに。特徴的な事を言えば・・・

「このドーナツがねー。おいしいんですよ〜」

みたいな。同友会の学びみたいな単語はひとっつもございません(笑


で、会計をしているくらいで、役員でもなんでもない僕に「折り入って相談が」と。
「隣で一緒に発表しなさい」と。
「頼んだよ」と。
人前で何かを話すのも発表するのも物語を作るのも得意なんだけども・・・と思ったけど確かに地区の代表として発表してくださるのに協力しないわけにもいかず。。。引き受けました。ここが大きな間違い・・・(笑

その日は、「大変な事になりましたな〜まあ頑張りましょう」と、おいしい焼肉を食べて終わりました。

3月9日
出来上がった動画は使わないとして、1から物語を作らなければならないなと思いました。といってもまあこの時点で9,10,11,12と4日しかありません。しかも3者で集まって作ったのですが、集まれるのは21時から。0時には寝なきゃ仕事に差し支えるから、集まれた時間は10時間も無かったと思います。
9日はほぼ、丸尾さんの会社のヒアリングのみ。ただ、8日に見た、5分と持たない動画によって物語の骨組みは頭の中に出来てたのでチャート図だけ作っておきました。

最初に作った全脳チャート。

一発目から何のこっちゃ分からんでしょうけども、これを元に物語を紡いでいきます。
左下が右も左もわからないのにお菓子やさんに入った時。
右上がHAPPYで未来が想像出来る現在。
縦軸ですが、パンセさんは本当に従業員さんとの距離の近さが素晴らしいんです。そして経営理念にも経営指針にも「笑顔」というキーワードが出てきているので、縦軸を笑顔としました。

この曲線は実は適当です。物語というのは3回ほど山あり谷ありを迎えてその後に目的を達すると分かりやすいんですな。
詳しい事は「全脳思考:神田昌典」を読んでみてください。

全脳思考

全脳思考

丸尾さんが今の丸尾さんになるまで、3つの事件がありました。
・時代が和菓子から洋菓子になる
・娘さんがアレルギーにかかる
・同じ年に相次いで、前社長を含む3名の方がお亡くなりになり、その方のお見舞いに通う毎日によって、同じ年に4名の社員が退職してしまう

和菓子から洋菓子になりつつある事を肌で感じた時に、丸尾さんはすぐいに転身を決意します。100年の伝統なんて・・・いや初代創業者でもそうしたでしょう。夕方まで和菓子を作り、夕方からは洋菓子の修行の日々だったそうです。
娘さんのアレルギー。本当にひどかったそうです。でもその時に奥様が大変な努力をされて、20年前から低アレルギーなお菓子に取り組んでいたそうな。今でこそ良く聞くけど20年前です!
4名の退職に大ダメージを受けた丸尾さんと会社。その時から、従業員さんとの接し方について真剣に考え。同友会に出会ってから、今の快進撃が始まる。。。

それを前述の全脳チャートに書き込むだけで物語の行間が埋まっていくんですな。
世の中に自分の味ではなく、和菓子そのものが通じなくなったら?娘がアトピーにかかったら?従業員さんが退職したら?笑顔は急激に落ち込みます。
お客さんが沢山来たり、コミュニケーションが円滑だったり、利益が出たり、仕事にやりがいがあったり、従業員を信頼出来たり、今日が楽しかったり、TVの取材が次々に訪れたら??
笑顔が増えます。
笑顔が増えれば従業員、顧客、社長、お財布、地域まで良くなります。これを丸尾さんは、経営理念・指針に謳っていて、実践してるんですね。実践しているし従業員にも浸透しているのにうまく言語化出来ていないんですが(笑
言語化出来ておれば、その経営指針を使った経営への効果について大いに語ってもらえばいいんだけども、それは無理。となると、丸尾さんの、笑顔、というわかりやすくて実践しやすいサンプルを聴衆に提示することで、「経営理念を作らなきゃって思ってるんですぅ〜・作りなおす必要を感じてるんですぅ〜」って何年も言い続けてる経営者にプレゼンをするのが一番じゃないかと感じました。

経営理念を作るために経営理念を作るんじゃない。
会社がうまくいくために理念作るんじゃろ。作戦です。

これが出来た瞬間に後は実はほとんど完成です。個別の日本語を考える事と、1人でしゃべるわけではないので、どうお互いを話しやすくするか。になります。

3月10日・11日・12日
時間が無い中、3人で集まり、会議。パワーポイントの資料をラフで作って、その順番を全脳チャートに合わせて並べ替える。1枚のスライドにつき3−4ワードだけキチンと話す事だけ確認してタイムアップ(汗 30分通しでの読み合せはもちろん0回。しかしながら、物語の骨子としては笑顔という指針が出来る前は事件によって経営もブレるけど、同友会に入って笑顔という指針を掲げた時から・・・というストーリーは完成しました。

しかしこの5日間は本当に色んな学びがありました。パティスリーパンセは、というか経営指針って本当に凄い。
例えば、時間が無いため、私は丸尾さんの携帯に「質問に答えて下さい」とメールしました。かなりプライバシーに踏み込んだような内容。すると丸尾さんは、「携帯じゃ返事書けんから会社のメールに送ってや」と。。。
気を使ったのになあ。と思って送ったら「娘と一緒に一生懸命考えて書いたんよ」と(笑
娘さんがアトピーの時に何も出来なかった自分について、みたいな事も質問にあったのに。。。
そして立石さんが発表に先立って従業員さんに質問した所、「良い職場」という意見が全員なのは当たり前で、その上「クビにならない限り一生ここで働きたいです」と答えた方が二人居たそうです。すごいですよね。。。。
そら流行るわ〜。。みたいな。

さあ、パワーポイントさえあればなんとかなる!というか30分じゃ足りないだろうけど、時間が余ってしまった保険として、僕の親友ののってぃの教え
マハトマガンジーの言葉
「見たいと思う世界の変化にあなた自身がなりなさい」
の画像を最後のページに放り込んで完成。最悪早口になりすぎて10分余ってしまったら、「ガンジーの教えとパンセのやっている事がいかにリンクするか」を僕が10分話せるから時間調整しよう。と決めて当日を迎えました。


会場はこんな感じ。30分前くらいかな。
ほんまに100人以上来るんですね〜。面白い。
3人ってのも面白いです。1人が緊張したら2人が落ち着けと促す。なぜかそれが30分ごとに順番に緊張を襲うんです(笑
僕のピークは開始30分前。そこいらじゅうをウロウロウロウロしてました。緊張している自分に出会えてラッキーでしたっ。

3人の発表の、僕らは3番目。
1人目の発表者は、超王道。イメージ画像。経営理念等の画像は出すものの、社員への徹底した浸透のさせ方、活用法などなど、全て20分程度を1人で語りました。計算されたお話の内容。素晴らしかったです(優勝されたのはこの方でした)
2人目の発表者の方は裁判形式でした。斬新!
経営者が被告で、他の人がツッコミを入れる時に「裁判長!!」とか言って物語形式でした。これまた伝わりやすくするための工夫ですね。素晴らしい。
で、3人目は我々。
「笑顔だけ忘れずにやりましょう!」と言い、壇上に上がりました。
僕がために印象が悪くならないようにだけ気を使って、後はとにかく笑顔。普段から、クオリティの高い話しをわかりやすく人に話せる人。緊張さえ無ければ誰をも唸らせる事が出来る話しなんです。
3人とも緊張せず。時間も「残り二分になったらバトンタッチしてね」と立石さんから要請されていた通り、残り1分50秒台で交代。やったね!というわけで、地区の皆さんや知り合いの経営者の方からもお褒めの言葉をいただき、ホッと一息で終了致しました。

しかし今回は、5日だけとは言え、私の会社一社ではとてもとても福山支部で発表するようなコンテンツも無いわけで、責任がほとんどない立場であらすじと演出と資料作成を担当させていただき、地区の代表として大成功してる先輩の会社の紹介をさせていただくという、実に「おいしい立場」での素晴らしい体験が出来ました。

私はあまり緊張しないので、発表している間、出会ったことのない人格が出てくるのかな〜と思っていたりして。自分とも色んな対話が出来て良かったです。

残念ながら優勝出来ませんでしたが、選考基準を聞けば、最初の発表者の方が優勝するべくして。という感じでした。
手前味噌ですが、他の方よりも聞いている方の脳にイメージを伝える事が出来たと思っております。あと15分ほどあれば、あの会場の空気と発表者の能力で、皆さんに鳥肌が立つようなプレゼンが出来たのにな〜。と思うけど、これこそがLIVEの良さなんでしょうね。敗軍の将は兵を語らずであります。


「とにかく笑顔が無くなったらいかんのよ〜」

これだけで会社をどんどんまとめていく丸尾さん、にこにこしていれば従業員さんが自分で考えて動いてくれて、お客さんの笑顔にもつながる・・・やっぱりすごい。色んな経営の極意を伝授されたようにも思います。ありがたや。ありがたや。