空き家について色々思う所をこれから書いていこうと思う。

空き家の原因は新築住宅の「造りすぎ」

という記事を見ました。

私が不動産業を営んでいる府中市でも、空き家はどんどん増えています。
中心地に近い人に聞くと「そんなに多いんか!」
中心地以外の方に聞くと「そんなに少ないんか!」という空き家率です(笑

さてそんな中、将来は私のまちはどんな風になるんでしょう。

ハウスメーカー社長曰く「人口統計はこの世で最も狂わない」との事。

今日20歳の誕生日を迎えた人が20年後に何歳になるかは確定。という事を考えれば確かに頷けます。

ですから、人口がどれくらいになるのか、家がどれくらい空き家になるのか、今、世の中で観察することの出来る数字を全て集めたら、将来に向けてどうしなければならないのかが大体分かるんです。

2050年。居住地域の6割以上が人口が半分になり、2割以上が無居住化するそうです。
10年以内に消滅するおそれのある集落は全国に400以上だそう。

そうです。
10年以内に爆発する時限爆弾のスイッチ。押されてるんです。

私の出身は府中市でも中山間地域と呼ばれる田舎。

主な産業というか唯一ある産業が農業。


「若い衆」らが頑張ってますが、その若い衆は既に65歳を超えてます。
若い衆は既に持病を持ってる人が半分程度です。
その半分が、3−4人というボリュームです。

維持するとか維持しないとか言う話ではありません。良いとか悪いとかいう話でもありません。私のルーツである田舎は、そう遠くない将来。私が60歳になるよりずっと前に、地域として維持されない可能性がかなり高いです。

そんな中での今回の長嶋さんの記事。

不動産屋としてあるまじき発言かもしれませんが、土地を買って家を建てる事にかなり最近違和感を感じます。

わが町の将来の空き家率、30%。
両隣に家がある可能性は、5割程度という事です。少し田舎であれば、7割、中心部では3割という所でしょうか。

空き家・・・不法占拠や匂い、火事等、かなりリスクが高いです。
そして空き家が増えれば当然ですが、自治体単位での維持活動の負荷も高くなります。そしてその自治体そのものも、人口が今より何割か減った中では今よりも行政サービスのレベルはかなり低下するでしょう。

もしも家を建てるんであれば、長嶋さん他、色んな方、色んな省庁から出されている「コンパクトシティ」などの情報をしっかりと集めて、人口は減少するけどもその線引区域の内側の土地に建物を建てるべきなんじゃないかなと思います。


しかし、「夢のマイホーム」
この念仏のように小さい頃から唱えられたイメージを払拭する事はなかなか難しいとは思います。

建築・建設に携わっている職業の方がかなり多いのも事実。マイホームがダメというわけではありませんが、マイホームを建築する時には、「夢の間取りやタイプが選べるかどうか」よりも少し前の段階の事を考えるのが先決じゃないのかな。と思います。


夢のマイホームが「YES!良かった!」と最終的に思えるのは、20年以上後のような気がします。家を建てる時にはその20年後に少しだけタイムスリップして、その様子を見回してみるといいのかもしれません。

さて話は脱線しましたが、これから20年後、私は57歳です。
57歳の時、私はどんなまちの不動産屋なんでしょうか。

中学校のクラス数はいくつだろう(私が通ってた時1学年8クラス、今3クラス)
アパートの賃料はいくらでしょうか?
取引の平均坪単価はいくらなのかな。
管理物件の空室率はどうだろう。
空き地はどれくらいあって、空き家はどれくらいだろう。

長嶋修さんの本の中で書いてある「中古物件の取り扱い金額の境界線は1000万以上」という物件。どの程度のものになってるんだろう。

今日、3000万で作った家は、その時いくらで取引されるんだろう。

色んな情報を集めれば集めるほど、活躍の場が広がっていくような気がしてなりません。
空き家の話はまた次回も続きます。